5月5日(金)

この日は午後1時にアカデミーのリンデマンさんとお会いする約束になっておりました。地図で場所を調べてみるとメトロのSornainenという駅のすぐ近くであることが分かりましたので、大学に出かける要領でアカデミーに向かいました。珍しく天気が不安定で雨が降りそうでしたが、実際に出かけるとぱらぱらと降ってきました。到着してみると、すぐにアカデミーの入っている建物が見つかりましたが、その向かいにBangkok Centerという名前のタイ食材店があることに気が付きました。時間まで少しあったので、そこに入って少し物色しておりました。

時間になったので、アカデミーに入ろうとしますが、玄関は施錠されていて、呼び鈴を押すと受付の人が顔を見て自動で鍵を開けてくれる、という感じでした。受付で、まず名前などを書いて、さらにゲスト用の首からかけるIDカードのような感じのものを渡されました。すぐに中に通してくれたのですが、リンデマンさんが既に出てきて待ってくれていました。そのカードのようなものは職員でもかけることが義務づけられているらしく、リンデマンさんも笑いながら自分のを見せてくれました。すぐに上の階の応接室のようなところに通されたのですが、上がる時のエレベータの各階にも鍵がついていて、鍵がなければ上には昇れないようになっていました。ここまでセキュリティの厳しい建物に入るのは私は初めてでした。アメリカのMath. Reviewのオフィスに行ったことがあるのですが、そこはそれほどセキュリティに関しては厳しくなかったですし。で、応接室には飲み物が用意されていてミネラルウォーターか、炭酸入りのオレンジジュースかどちから選ぶように言われたのですが、とりあえずオレンジジュースをもらって、そこでしばらく話すことになりました。

特に重要な話をしたわけでもないのですが、やはり在留許可に関することや、アパートについてどうかとか、そういう話題が中心でした。在留許可については、出発の40日くらい前に申し込んでいたのにどうして出なかったのか、理解できないというようなことをおっしゃっていました。私がこちらに着いてから、在留許可が出なかったことを相談していたので、彼女は日本のフィンランド大使館に連絡を取って私のパスポート番号を聞き出して、こちらの入国管理局に連絡を取ってしかるべき処理を行うように申し入れたようです。この国ではやはりアカデミーは結構力を持っているのでしょうか。日本の場合、同じことが出来るかと考えると少し心許ないですね。日本の場合は、代議士が介入でもしない限り難しいでしょう。

他にどんな人が今年度の派遣研究者で来る予定になっているのかも尋ねてみましたが、どうもポスドク枠で私の他にもう一人来ることになっている人がいるようですね。また、フィンランドアカデミーは、学振(Japan Society for the Promotion of Science)以外にも、日本の工学系の組織(確か、Japan Society of Technologyとか何とか言っていたように思いますが)とも研究者の交換の事業があって、その枠でも何人か日本人が来ている(or 来る)ようです。昔はフィンランドと言えば、語学か数学くらいしか研究に行く人はいない、というふうに言われていたのですが、最近は工学や、医学・歯学などで研究に来られる人も多くなってきているようです。

1時間くらい話をして、帰り際に少し1階のアカデミーのexhibitionのコーナーや図書室を少し案内してもらってから、アカデミーを出ました。とても感じの良い方で、楽しい時間を過ごせました。その後は例のタイ食品店に入って、カレーの食材などを買い求めてから帰宅しました。

フィンランドアカデミー