6月17日(土)

ということで、各種ツアーに参加するには早くから行動するに限るということで、朝7時に起きましたが、朝食が用意されたのが8時前だったのでいきなり出遅れ。朝食時にストックホルムから来たという年輩の女性2人と一緒に話をしていたのですが、どうやら彼らのうち1人が私の泊まるはずの部屋に泊まっていたらしいですね。後で聞いたところでは、彼らは3ヶ月も前にその宿を予約していたらしいのですが、2部屋を一人の名前で予約していたために、直前になってから宿のご主人がそのことをすっかり忘れていて、二重に予約してしまったと勘違いして、1部屋分をキャンセルしてしまったらしいです。私が遅くに到着する予定だったということで、宿の人がいてくれて助かった、と彼らには感謝されてしまいました(^_^;) ただ、問題はこの日の夜で、アイスランドの独立記念日でどこの宿も一杯だというので、宿のオーナーの奥さんはとりあえず何とかすると彼らに言ってましたが、結局一人は非常に狭いところに寝ざるを得なくなってしまったようです。私もこの日は普通の部屋は満杯なので、地下の部屋に寝るように言われていました。ただ、この時点ではどうして祭日だからといってどこのホテルも満杯になるのかは私には理解できませんでした。

朝食後にとりあえずTourist Informationに行って情報収集をすることにしました。いくつかexcursionのツアーを企画する会社があって、色々なプランが提示されていましたが、この日は出遅れたのでその日のツアーに参加することはあきらめて、貸し自転車屋で自転車を借りて、市内かその周辺を回ることにしました。場所を教えてもらって自転車屋に行ってみましたが、祭日ということでお休みでした。(普通の日曜日などは開いているはずなのですが。)ということで、自転車で回ることはあきらめて、再びTourist Informationに戻って予定を再検討。とりあえず翌日以後のexcursionを申し込むことにしました。で、いざ申し込もうとすると、実はほとんどのツアーもやはりバスの運転手のストライキによって開催が中止されているとのことでした。4種類ほどのツアーだけが運行されているということで、この時点でほとんど選択の余地はなくなっていました。ということで、行ってみようとと思っていたいわゆる「Golden Circle」を含むツアーということで、4WDのいわゆるジープでメジャーな観光スポットや、さらには氷河まで行ってしまうというツアーを選ぶことにしました。料金は10500 ISKで、通常のGolden Circleをまわるツアーが5000 ISKくらいなのに比べると倍程度になってしまいますが、仕方がなかったですね。ということで、結局この日はBlue Lagoonと呼ばれる一種の温泉に午後から行くことにして、それまでは植物園で時間をつぶすということにしました。

バスで植物園に行くこともできましたが、歩いても45分くらいだということなので、散策がてら海岸沿いを歩いていくことにしました。海岸からは対岸にそびえるEsjaの山並みを見ることができ、雄大な自然をかいま見ることができました。なお、海岸沿いには、2000年のヨーロッパの文化都市に選ばれているということもあって、様々な芸術作品が展示されていました。

Esjaの山並み。残念ながら頂上付近は雲に覆われて見えません
 

植物園は、国内に自然に生えている植物種のなんと65%が展示されているということで興味があったのですが、まさに私の見たかったものがそこにありました。植物園と言えば、FinlandのJoensuuやHelsinkiの大学の植物園や、Geneveの植物園にも行きましたが、あまり寒冷地の植物が豊富に見られるというわけではなく、むしろそこでの目玉は熱帯植物だったりするので、私はややがっかりすることが多かったのですが、ここは本当に寒冷地の植物を集めていて、非常に興味深いものでした。しかも、ある区画ではアイスランドの固有種が、アジアや他のヨーロッパに生える近縁種とどう違うかを強調するために、そういうものと比較しやすいように隣り合わせて植えられていたりして、学術的な観点からも非常に興味深いものでした。一般の人には、たぶん雑草がたくさん植えられているだけで、つまらなく見えるでしょうけど(^_^;) いくつか面白い植物を以下に紹介しておきます。もちろん、これらは植物園で撮影したもので、自生しているものではありません。私もアイスランド滞在中に結構色々なところで植物観察をしましたけれども、ここに展示されているほど多くの種類の植物を見ることは出来ませんでした。そういう点でも、これだけ集めたというのは並大抵の苦労ではなかったろうと想像できます。

多くは雑草のようにしか見えない

これは海岸沿いに自生しているのをみかけました

近縁種をViikkiの森でも見かけます

こういう形で近縁種が集めてあります。
 

植物園は動物園の隣にあり、家族連れで楽しめるエリアの一つという形になっていました。なお、動物園は有料のようでしたが、植物園は無料です。植物園からはバスで再び市内の中心部に戻りました。(なお、バスの運転手のストライキというのは、おそらく観光バスなどに限った話で、市バスは平常通り運行されていました。) 既に独立記念日のお祭り騒ぎが始まろうとしており、おそらく年に一度国中からレイキャヴィクに人が集まってくるのでしょう、ものすごい混雑でした。おそらくレイキャヴィクでこんなことになるのは、この日くらいなのではないでしょうか。FinlandのVappu(May Day)に相当するものかもしれません。

人混みの旧市街

アイスランド大学
 

夕方からはBISのターミナルからバスに乗ってBlue Lagoonと呼ばれる日本で言う露天風呂に行ってきました。バスで約40分、空港の近くにある温泉で水に溶け込んだ成分のせいで青い水に見えることからこのような名前が付いているようです。ちなみに、バスの料金は片道で600ISKで、温泉の入場料が700ISK(ただし、水着やタオルなどの貸出料は含まず)ですから、合計で1900 ISKほどかかります。しかも、夕方からのバスだと18:00にターミナルを出て、20:00に現地を出発するというスケジュールになるので、実質的には高々80分程度しか現地にいられないということになります。そういう点で、Blue Lagoonへの一般のexcursionの方が時間的にはお得かもしれませんし、料金も2000ISK強なので悪くはないのですが、とにかくこの時はバスのストライキで一切そのようなexcursionは運行されておらず、選択の余地はありませんでした。さらに、実際には乗る予定だった乗客が来なかったのか、それを待っていて結局25分ほど出発時間が遅れたので、現地での滞在時間が極端に短くなってしまい、かなり文句を言う客が多かったですね。実際には現地発が20:10に延長はされましたが、それでも高い金を払っているのに15分ほど滞在時間が短くなったのは痛かったです。何様なのかは知りませんが、遅れてきた太った(はっきり言って頭の悪そうな)女の子2人はかなり白い目で見られていました。

なお、Blue Lagoonですが、屋外の温泉プールという感じで、なかなか気持ち良かったです。サウナもありましたし。なお、男女共同で水着着用となっています。本当はもっとゆっくりしたかったのですが、どうしてそういうスケジュールが組まれているのか理解に苦しみます。なお、帰りはバスは予定通り発車しましたが、市内では主なホテルを回った乗客を降ろすというサービスぶりでしたが、それを見てユースホステルに泊まっていた男性客がユースホステルに立ち寄ることを要求し、結局他の乗客が市内中心部に帰るのが5分程度遅れました(ちなみに、ユースホステルで降りたのはその男一人のみ)。往路で25分遅れたことに対して最も激しく文句を言っていた男のうちの一人でしたが、結局ただの自己中心的な男に過ぎなかったようです。
 

Blue Lagoon付近。溶岩が厚い苔に覆われています

Blue Lagoon
 

ホテルに戻ってきたのはかなり遅い時間だったので、適当なところで酒とつまみ程度を取って夕食にしようと思ったのですが、さすがに独立記念日で便利の良い安いところはいっぱいのようだったので、あまり地元の人が入らない(?)ギネスの看板を掲げたIrish Pub?に入ってみました。何か食べられるもの、ということで他に選択枝がなかったので、マッシュルームスープを頼んでみましたが、これがまた結構すごいものでした。直径20cm程度の丸いパンをくり抜いた中にスープが入っていて、しかもパンまで付いていました。よく見ると、付いていたパンはくり抜いた中身でしたが(^_^;) いずれにしても、すごいヴォリュームで食べ尽くすのはあきらめて、底だけ残してしまいました。なかなかおいしくて良かったですけどね。ちなみに、入っていたキノコは、マッシュルームというよりは、いわゆるポルチーニ茸のような感じがしました。

この日はゲストハウスは満室ということだったので、私は普段宿の人が使っているらしい、地下の部屋を使わせて頂くことになりました。おかげで、普通の部屋には付いていないテレビやビデオまでありましたが、テレビはあまり面白そうではなかったので、ほとんど見ずに寝てしまいました。