内容については、大雑把に言えば局所可積分な非負値函数が与えられたときに、それがいつ擬等角写像のJacobianになっているか?という問題についてでした。98年ごろのボンク、コスケラ、ローデによる結果というのがあり、それをさらに発展させた結果という感じでしたか。この問題の完全な解答は難しいみたいですが、VG(volume growth), H(Harnack inequality), D(doubling)という3条件を科した場合に、2次元の場合には円板に限れば、実際にある擬等角写像が存在してJacobianの1/2乗に比較可能になる、という結果を紹介していました。高次元の場合はそれでも、変な例が構成できるとのことらしいです。それにしても、等角写像の研究者たちが最近はこういう方面にシフトしつつあるというのは、私としては寂しく思います。
それ以外の時間はずっとMathematicaでトレース函数を逐次発生させるプログラムを組む作業をしていました。一応、無事完成し、それをbending
locusを描かせるプログラムに埋め込んで、自動的にある一定の深さまでのwordに対応するbending
locusを計算してくれるようにプログラムを組み直しました。計算自体にはおそらく一晩とか時間がかかると思うので、これから帰ってアパートで続きをさせてみる予定です。詳しくはまたBSPのページで紹介したいと思っています。