6月13日(火)

何とか無事に5時過ぎに起きて、とりあえず前日の夜に処理する予定だった冷蔵庫の中のものの処理に励みました。ということで、いつもとは少しパターンが違う朝食にはなりましたが、適当に済ませて6時13分の79系統のバスでマルミの駅へ。バス停の場所を正確には覚えていなかったので、最も便利なバス停で降り損ね結局終着まで行ってしまいました。ということで、若干519系統のバス停にたどり着くのが遅れて、6時23分のバスに乗り遅れてしまいました。(ちょうど行ってしまうところでした。乗る客もいなかったようで、さっさと行ってしまったというわけです。)

まあ、1本くらいの遅れは大した問題ではなかったので次の6時42分のバスに乗って空港へと向かいました。7時過ぎには空港に着いたのでマルミから30分くらいみておけば十分なようです。(距離的にはもっと近いはずなのですが、local routeを通って行くので、かなり時間がかかってしまいます。) そういえば、VantaaにあるK-market系のCityMarketは、別のところに「ジャンボ」と書いてあったように、外から見る限りはかなり大きそうな感じでしたね。東中央のそれに匹敵するか、あるいは上回る規模かもしれません。車か何かでないと行けないんじゃないかと思いますが。

空港に到着すると、Finnairのカウンターには至る所長蛇の列が出来ていて、気の毒にと思っていたら、私が乗る予定のSASのカウンターはそこより小規模なのでより長い列が出来ていました(^_^;) まあ、仕方なく並んでいると前のビジネスマン風の男性が空港従業員の人に声をかけられていて、並ばなくてもいいと言われたようでそのままパスポートコントロールの方に行ってしまいました。VIPなのだろうか?とも思いましたが、気にせず並んでいると同じ従業員の人が私に対しても声をかけてきて、「荷物はそれだけか?」と訊くので「そうだ」と答えると荷物を預けないのならチケットを見せてパスポートコントロールをそのまま通ってよい、ということをsuggestしてくれました。なるほどそうだったのかと思って、列を抜けて言われた通りにしてみると確かに中に入れました。(そういえば、スタンプはしっかり押されていましたね。まあ、EU諸国外へのターミナルも同じところですからしょうがないんでしょうけど。) ただ、考えてみると座席の指定などもしていないし、どうすればいいんだろうと思って辺りを見回すとSASの乗り継ぎカウンターが目に入ったので、そこでチェックインすることができました。確かに、中の乗り継ぎカウンターだと人が並んでいないので非常にスムーズでした。ただ、そこのカウンターで「窓側か、通路側か?」と尋ねられたので、とりあえず窓側と答えておくと、実際にもらった席は12Bというやつで、どうみても窓側ではありませんでした。実際乗ってみると、3列の真ん中の席で、しかも前の方の席だったので私の前は2列しかなく、私の両側の席の前にはテーブルがあるけれども、私の前には対応する席が存在しないので、非常に小さい食事用テーブルが適当に取り付けられいるだけ、という飛行機の中で考えられる最悪の席でした(笑) まあ、短時間だから何とも思いませんでしたけど。ちなみに、SASのサービスは今一つで、食事もパンとチーズやハム類に、小さいカップのジュース、フルーツだけという感じで、それにコーヒーくらいでしたね。飲み物は特別にはありませんでした。近くの人がワインをリクエストしていましたが、リクエストすると(無料で)答えてはくれていたようです。

飛行時間は約1時間半。距離的には国内感覚ですね。デンマークの空港に着くと入国審査があってパスポートにスタンプを押されました。(別に何も訊かれませんでしたが。)空港からは電車が出ていて、コペンハーゲンの中央駅まで約12分というところ。20分おきに出ているようです。AREAで買っていたOdenseまでの乗車券のクーポンがそのまま有効かどうか知らなかったので、チケット売場の人に確認してみましたがどうもそのまま使えそうなので、そのまま地下のホームへと向かおうとしました。この時はまだデンマークのお金は全く持っていなかったので、こういう場合にあらかじめチケットがあると便利ですね。ホームは2番まであって、最初どちらに行くのか分かりませんでした。最初に出るのが「ヘルシンキ行き」となっていたので、さてそれでいいのか?と思っていたら乗りそびれてしまいました。どうも1番ホームでよかったみたいです。2番から出る列車はあまりないですが、それは中央駅を経由せずどこかに行ってしまうようでした。いずれにせよ、ルートマップは空港と同じ地上階には見あたらず、ホームまで降りていってようやくヘルシンキ行きに乗ればよいことが確認できました。なお、この空港からの鉄道ですが、聞いたところによれば1年前くらいに開通したばかりだそうです。そういえば途中に一つ新たに駅を作っているところでしたね。地球の歩き方北欧編の、国電の地図にはまだこの路線が書き込まれておらず、あらためてあの本があまり当てにならないことが分かります。

コペンハーゲン空港駅。車両の前面の形がユニーク
 

この日は特に聴きたい講演もなかったので急ぐこともないと思って中央駅で降りて市内を少しだけ歩いてみることにしました。駅前にTourist Informationがあり、そこでいくつかパンフレット類をもらいました。コペンハーゲンの英語の地図が無料で置いてあるので寄っていくと便利でしょう。なお、ヘルシンキと同じように「Copenhagen This Week」というのもあり、もう少し長く滞在するには便利な冊子だと思います。また、定期的に出ているらしい日本語のガイドもあるようで、それはForex(両替屋)に置いてあります。(蛇足ながら、Forexで両替するのでしたら、駅の中だと長蛇の列が出来ていたりするので、駅の外で両替する方がいいでしょう。率は同じです。)私はいつものsirrusでお金を引き出しましたが、あまり必要もないだろうということで、1000KRだけ引き出しました。大体、1FIM=1.2 KR程度で、10000円=760KRというところでしょうか。

駅前に有名なTivoli公園がありましたが、入園料が大人で40 KR程度。時間もないので入らずに前を通り過ぎ、歩行者天国になっている目抜き通りのストロイエと呼ばれる辺りをずっと歩きました。そういえば、セブンイレブンも2軒ほどありましたね。それにしても、コペンハーゲンを歩いてみて、観光客の多さに改めてヘルシンキには観光客がそれほど多くは訪れていないことが実感できました(^_^;) この通り沿いには百貨店やブティックなども集まっていて、ロイヤルコペンハーゲンのショップもありましたので少し立ち寄ってみましたが、アンティークのコレクションなどもあってなかなか面白かったです。絵付けの実演もやっているようでしたが、私が立ち寄った時には残念ながら人がいませんでした。3階には2級品を放出するコーナーがあり、かなり多くのものが実際に結構安く売られていました。(半額から1/3) レジには列が出来ていましたが、多くが日本人でした(^_^;) なお、同じ階に喫茶室もありましたが、値段が分からなかったし、時間もなかったので入らずに出てきました。また、その通りから少し入ったところにMuseum Eroticaというのがあって、その少し先にCZARという名前のチーズショップがありました。店内のチーズの量は半端ではなかったですね。そこにValioのエメンタールチーズも何種類か売られていたのには驚きました。

1階にセブンイレブンが入っている

チーズショップ CZAR
 

1時半の列車でOdenseに向かう積もりで、1時に駅に戻ったのですが、駅の時計を見るとまだ12時。時差に合わせて時計を1時間遅らせるのを忘れていました(^_^;) ということで、12時半のOdense行きのInterCityに乗ることにして、少し余った時間で軽く食事をすることにしました。駅の中のオープンカフェのようなところをいくつか見ましたが、どうも高いのが多くて、一つ見つけたのがコーヒーと何かのセットで21 KRというものでした。その何かがデンマーク語なのでお店の女の子に訊いてみると、真ん中にジャムなどが乗った丸いパンのことで、まあそれならいいかと思って注文しました。パンは結構甘かったですが、そういえばこれが日本ではいわゆる「デニッシュ」という名で売られているパンのオリジナルなのかなぁ?と思いました。

12時半のInterCityに乗ってとりあえずOdenseに向かいましたが、途中はさすがに結構寝て過ごしていました。窓から見るデンマークは、基本的にはずっと田園風景が広がっていて、人が疎らにしか住んでいないという感じでしたね。そういえば、風力発電用の風車もいくつか見かけました。1時間くらい過ぎたところで、そういえばもう海は渡ったのかなぁ?と思ったのですが、しばらくするとトンネルに入り、4分くらいしてから地上に出たので、あれが海の底だったのか?と思って後ろの方を見ると大きな鉄橋が目に入りました。どうやら車道の方は海上を通るようになっているようです。ただ、どうやらそこは島だったようで、しばらくすると鉄橋ではないんですが、海の上の道みたいなところをまた4,5分走りました。トータルでは結構な距離がありましたね。そこの海を渡るルートもつい1,2年前に開通したばかりのようです。(デンマークからスウェーデンに渡るルートも近いうち開通するそうです。)

というわけで、コペンハーゲンのある島からオーデンセのあるFyn島に渡って、20分くらいでOdenseに到着。そこからはバスに乗って南デンマーク大学(Syddansk Universitet, University of Southern Denmark)に向かいます。41か42系統のバスに乗るのですが、料金は11 KRでした。大学には25分ほどで到着。着いたらconferenceの案内くらい貼ってあるだろうと思っていたのですが、そういうものは全く見あたらず(^_^;) 一緒に降りた中に3名ほど他の出席者がいて、2人くらいがちゃんと地図を持ってきていたので地図を見ながらregistration(登録)の場所を探しましたが、結構うろうろしてようやくconference会場を発見しました。(結果的には、バス停から降りたところの建物にそのまま入れば、一続きになっているので問題なく行けたようでしたが。) 登録のための部屋に入ってみると、マクマレン氏も着いたところだったのか、椅子に座ってプログラムなどをチェックしている様子だったので、とりあえず挨拶だけしておきました。私が「今はヘルシンキに滞在しているので、ここまではshort wayだ」と言ったら「relatively short」と返されました(^_^;) 登録を済ませると、ホテル代のデポジットが返金されましたがそれでさらに750 KR増えました。うーむ、使い切れない(^_^;)

総合講演会場ではUhlenbeck氏の講演が始まっていました。彼女を見るのは1990年のICM京都の時以来でしょうか。今回は幾何学的な非線形Schrodinger方程式の話で、非常にパワフルな講演でした。その後は30分くらいCoffee Breakがあって、食堂でコーヒーとお菓子が出されました。私はその間にまずトイレに行こうと思って探したのですが、見つけて中に入ってみると、男女の区別がなく単に4つの個室があるだけでした。酒井さんからミッタークレフラー研究所のトイレの話を聞いていたので、それと同じだなと納得しましたが、話を聞いていなかったら戸惑ったかもしれません。今回のconferenceは、たまたま近くに滞在しているので行ってみようと思っただけで、あまり私の専門に近い分野のsessionがなかったので、実際あまり知り合いもいませんでした。ということで、予想はしていましたが話し相手はほとんどいないという状況でした。次の講演は、聴いていると間違いなく寝ると思ったので、ちょっとパスしてパソコンで時間をつぶしていました。

その日の最後の講演が終わったあと、バスでアンデルセン博物館に行くことになっていましたので、それで再び市内へと戻ります。バス3台がチャーターしてありました。私の席の隣に座った若い男子学生がマクマレンの複素力学系の本を取りだして読み始めたので、話しかけてみると複素力学系が専門だそうで、ブランナーの学生のヘンリクセンという人でした。話しているとあっと言う間に博物館に到着。いつもやっているのかどうかは知りませんが、小さなステージみたいなのがあって色々な童話のキャラクターの格好をした子供達や、案内人という感じの男性がそこに登場して、アンデルセンやオーデンセの説明、歌を披露してくれました。その後、4つのグループに分かれて、それぞれ英語のガイドのおばさんが付いて館内を案内してくれます。アンデルセンの生い立ちや、生涯独身だったそうですが、色々な女性と恋に墜ちたことなど、説明してくれました。資料などもかなりたくさん展示されていたようですが、詳しく見ている時間がなかったのが少し残念でした。

H. C. Andersen博物館(緑の屋根の小さなお城のように見えているのがステージ)

その後はさらに市庁舎で歓迎のレセプションが行われました。市長は出てきませんでしたが、代理の女性が少し英語で演説をされたのですが、「ウンス」と何度も言っているので最初何か分からなかったのですが、どうやらOdenseのことらしいとしばらくして気が付きました。アンデルセン博物館のステージでも、確かにOdenseの発音について説明してくれていましたね。食事は温かいものは何もなく、比較的簡素ではありましたが、ワインやビールのような飲み物は充実していました。日本人参加者は私を含めて4人しかいなかったようでしたが、他の日本人と話していて時間をつぶしていました。柏原正樹さんとそのPDの鈴木さん、それから作用素環の富山淳さんでしたが、鈴木さんは私の解析学演技Bに出ていたことがあるとのことで、びっくりしました。富山さんはデンマークには30年来のつきあいだそうで、それで今回も参加されているようですね。

市庁舎のレセプション会場(3階) まだ人があまり集まっていない時
 

私はレセプションは9時過ぎに抜けて宿に向かいました。名前を言うだけでキーを渡してくれたので、非常に簡単でした。(主催者が既に予約をしていてくれましたので。)私が泊まったのはWindsor Hotelというところで、地球の歩き方には「高級ホテル」と紹介されていますが、まあ部屋の感じはそうでもないような(ちなみに、私が支払った料金はシングルで1泊500KR)。昔は高級だったということでしょうか。前の日はほとんど寝ていなかったので、とにかくさっさと寝ました。