須川敏幸のプロフィール


 簡単な自己紹介などは ここ にございますので、ここでは簡単にどういう経緯でフィンランドに来ることになったかを説明するにとどめたいと思います。
 そもそも、なぜフィンランドか?ということですが、これは私が研究している数学の中の複素解析学という分野に関しては、フィンランドは“大国”でありまして、例えばこれまでリンデレーフ、ネバンリンナ、アールフォルスといった(この分野に関しては)錚々たる数学者を輩出しています。その伝統のためか、現在でも複素解析学に関しては優秀な研究者が多く、特に私がお世話になっているヘルシンキ大学はフィンランドにおける最大の研究拠点となっています。(もっとも、最近ではユヴァスキラ大学の方に優秀な若手の研究者が集まっているようにも思えますが。)
 そこで、 日本学術振興会フィンランドアカデミー との間の研究者派遣のプログラムの中のポスドク枠に応募し、採用された結果、2000年4月19日から2002年3月15日(予定)までの間ヘルシンキ大学の数学教室(ホストはMatti Vuorinen先生)に派遣してもらえることになりました。この間、特に決まった義務(duty)はありませんが、もちろんそれなりの研究成果をあげることが求められます。当初、妻と息子(1歳)と3人で出発する積もりだったのですが、妻の都合もあり最初は妻だけ(視察のため(^_^;))2週間弱一緒に来てあとしばらく(2ヶ月程度の予定)独りでこちらで暮らすことになりました。住居はこちらのアカデミーが手配してくれることになっていて、我々はViikkiというところにある研究者向けのゲストハウスのようなアパートに住むことになりました(別記参照)。